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平成27年度調査研究のトピックス(1)

地磁気現象検出の高度化と地磁気現象に関する情報活用に関わる調査

研究代表者:大川 隆志

電子機器や人工衛星を利用した機器の利用が生活に浸透しており、電波障害や急峻な磁場変化に伴う誘導電流による機器障害など、磁気嵐などの地磁気現象が社会生活にも影響を及ぼすことが懸念されています。本調査は、それらの影響に対する対応の一助となるよう、地磁気現象の検出能力や地磁気現象カタログの品質向上を図るとともに、地磁気活動状況を活用しやすい形で速やかに提供を行って利用価値を高めることを目標としています。ここでは、平成27年度に実施した調査のうち、地磁気現象データベースの拡充と脈動現象解析の一部を紹介します。

@ 地磁気現象データベースの拡充

紙資料として残されていた1957年7月から1999年3月までのsfe(太陽面爆発現象に伴う変化)およびbay(湾型変化)をデータベース化しました。読み取り要素が現在と異なる部分は、データベースフォーマットを修正して対応しました。検索機能も、これまで成分毎でしか行えなかった最大振幅によるソート(並べ替え)を、成分によらない最大振幅でのソートもできるようにし、詳細表示では全ての読み取り振幅値を表示するなど、利便性を向上させました。

A 規則的連続脈動 (Pc)

地磁気脈動には、太陽風との関係で磁気境界面に端を発するものがあります。2014年の女満別毎秒値を用いて短時間フーリエ変換して求めたパワースペクトル1分値から、概ねPc3の周期に相当する周期13秒から45秒に対応する周期のパワースペクトル1分値を周期で割って3成分(X、Y、Z成分)を合成し、さらに各周期のパワースペクトル1分値を60分間分積算して1時間値を求め、定めたしきい値を超えたカウント数の日変化を図1に示します。昼間の時間帯の朝側で多く観測されているのが分かります。


図1

図1  Pc3の時間別出現頻度

  縦軸:しきい値を超えたカウント数   横軸:日本標準時


次に、Pc3のパワースペクトルの日平均値と、太陽風観測衛星(ACE)が観測した太陽風速度の日平均値を図2に示します。Pc3の強度と太陽風速度に相関があることがわかります。


図2

図2  Pc3パワースペクトルと太陽風速度の比較

  左図:Pc3のパワースペクトルの日平均値  右図:太陽風速度の日平均値

  27日周期で表示している。 時刻は世界協定時(UTC)による。


このように短周期現象(発現や時間変動および周波数変動)を見るには、スペクトルを見ることが大変有効であると言えます。



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