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プロトン磁力計の原子核回転磁気率 γp の変更について

 地磁気の全磁力観測は20世紀中頃にプロトン磁力計が実用化されたことで飛躍的に簡便、迅速に計測できるようになりました。柿岡でも昭和38年(1963)年に導入されています。プロトン磁力計の測定原理は、陽子(プロトン)が磁気の強さに比例した周波数で歳差運動することを利用したもので、両者の間には次のような関係があり ます。

  2 π f = γpF

ここで f は歳差運動の周波数[Hz(ヘルツ)]、F は全磁力値[T(テスラ)]、γpは原子核回転磁気率という物理定数です。この関係を用いて、周波数を計測することで全磁力値が求められます。当然、原子核回転磁気率が不正確であれば全磁力の計測値にも影響を与えることになります。
 これまではICSU(*1)の下部機関であるIAGA(*2)からの勧告に従い2.67513×108[T -1sec-1]が長く用いられていました。しかし最近、同じくICSUの下部機関であるCODATA(*3)から2.67515333×108[T -1sec-1]という数値が出されました。世界的にも新しいγpの数値に切り換える方向で進められており、当所でもより正しい計測値を得るために、より正確なγpを採用することにしました。
 新しいγpの値は2005年1月1日より採用しています。この変更により、例えば日本周辺(およそ46,000[nT])で計測するとわずかながら見かけ上、ほぼ一定量0.4nTだけシフトすることになります。しかし計測された全磁力値にはこれ以外にも様々な理由で補正項が含まれています。また地磁気観測は一貫して継続(連続)したデー タであることが重要であることを考慮して当所の公表データには不連続が生じないように処理しています。
 (*1) 国際科学会議  (*2) 国際地球電磁気学・超高層物理学協会  (*3) 科学技術データ委員会


  原子核回転磁気率 γp
2.67515333×108 [T -1sec-1]
2.67513×108 [T -1sec-1]

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