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地球の大気中には、雷の放電などの電気に関係した現象が見られます。電気的な現象は雲の中だけではなく、晴天時でも大気中には電場が存在していることが知られています。これを空中電気または大気電場と呼んでいます。地球表面はマイナスの電荷を帯びています。一方、上空の電離層はプラスの電荷で帯電しており、地球表面との間には約300kV(キロボルト)の電位差が保持されています。これは地球表面が(−)極、電離層が(+)極であり、両電極の間の大気が誘電体(静電気作用を伝える絶縁体)として形成された、巨大なコンデンサーとなっています。 大気中では太陽光等によってイオンが作られています。このため大気は完全な絶縁体ではなく電気が流れます。このまま放っておくと両極間の電位差は消失するはずですが、実際にはこの両極間の電位差はずっと維持されています。これを維持するためのメカニズムとして現在考えられている有力な説は、全地球上の雷活動が発電作用となり電離層と地球表面とを結ぶ地球規模の電気回路(グローバル・サーキット)を形成しているというものです。
→ 電離層(+) → ↑ ↓ (雷活動による発電作用) (大気中に流れる電流) ↑ ↓ ← 地球表面(−) ←
大気電場は雷をはじめ風、雨・雪等の降水、霧・もやなどの大気現象により局地的には常に大きく変動しています。特に雷雲は強く電離しているため、接近すると電場は大きく変動します。このことを利用して雷予測への道を探るための調査研究も行われています。 一方、このような気象現象の影響を受けない日を静穏日としています。
長期間の観測によると静穏日の電場も変動していることがわかります。これは季節変化とか 経年変化と呼ばれているものですが、その原因の一つとして考えられているものに大気の電気伝導率の変動があります。大気の電気伝導率を左右する凝結核は大気の汚染状態等を反映すると考えられています。