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第21巻 第1号 (1985年)



Kuwashima, M., Uwai, T.

Solar Flare Effects on the Magnetic Variations

Memoirs of Kakioka Magnetic Observatory, Vol. 21, No. 1, pp. 1-14, March, 1985


要旨

 女満別,柿岡 鹿屋,父島の地磁気資料を使ってsfeに伴う磁気擾乱の研究を行った。日本の4つの観測点での資料が,sfe 電流系を研究する上できわめて有効であることがわかった。又Sfe 磁気擾乱には,地磁気脈動を伴う例のあることがわかった。 




永井正男

磁気共軛点における地磁気変化の南北非対称

地磁気観測所要報, 第21巻, 第1号, pp. 15-30, 1985年3月


要旨

 1961〜1964および1966〜1967のCape Wellen(CWE),Macquarie Island(MCQ)の磁気共輌点における水平分力の毎時値を使い,地磁気変化の南北非対称について解析した。
(1)CWEでは約+20nT/年,MCQでは約-25nT/年のかなり大きな永年変化のトレンドが,この期間に存在する。
(2)季節変化は静穏日と擾乱日で全く異なったパターンを示す。静穏日では南北両地点で夏と冬が逆の,ほぼ対称的な半年周期の変化を示すが,擾乱日では両地点とも夏特に大きく春秋で小さい,非対称的な変化を示している。
(3)日変化は,夏と冬の違いはあるが,MCQの方がCWEより大きな振幅を示している。
(4) 極磁気嵐の変化では,その爆発的活動時に両地点ともはっきりしたピークの極小を示すが,最盛時の4時間前から2時間後まで,MCQの方がCWEより平均して約40nT以上の大きな振幅の差を生じている。
(5) Dst指数の大きな発達した磁気嵐では,AU或いはAL指数の増大にともなって,南北両地点の差も増大するが,その変化はプラスの場合もマイナスの場合もあり,かなり不規則な変化を示している。




加藤誼司

阿蘇火山の地磁気観測(T)

地磁気観測所要報, 第21巻, 第1号, pp. 31-46, 1985年3月


要旨

 火山噴火予知の基礎的研究を行うため,1979年より阿蘇山における地磁気観測が始められた。阿蘇中岳の北約5kmの阿蘇山麓,及び中岳火口西北西約0.8kmの阿蘇山上の二地点で地磁気全磁力の連続観測が行なわれている。その他,年2回の移動観測が行なわれている。移動観測では携帯用プロトン磁力計による全磁力の観測が6点で,GSI一等磁気儀と携帯用プロトン磁力計による成分観測が5点で実施されている。
 阿蘇山上および山麓と鹿屋の間の全磁力差は,地磁気日変化の影響をさけるため,00時から02時(JST)の夜間について計算しているが,外部変動磁場の影響をうけてバラツキは大きい。夜間の外部変動磁場の主なる原因は,赤道環電流によるDst磁場によると考えられ,阿蘇と鹿屋のDst磁場変動の地域性をDI補正にとり入れた補正を行った。その結果,全磁力差夜間値(00-02時JST)のバラツキは約1/3に減少した。
 補正により,火山活動によると思われる種々の全磁力差の異常変化が,とくに山上と山麓の全磁力差に認められた。その典型的な例は,1979年9月6日の爆発前後の変化で,爆発前の8月中旬から爆発当日までは山上と山麓の全磁力差は急な増加傾向にあったが,爆発後は安定な状態に変わった。




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