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平成30年度調査研究のトピックス(1)

地磁気短周期現象の情報活用に関わる調査

研究代表者:笹岡 雅宏

GNSS等人工衛星の利用が各分野へ広がっており、地磁気短周期現象が高度情報化社会を支えるシステムに障害を与える可能性があります。このような地磁気極端現象は事例が少なく、高度情報化社会に与える影響を評価するために地磁気変動と地電位差変動の比較解析を進め、大規模な磁気嵐について特徴を見出します。また、地磁気短周期現象のデータベースの拡充・品質向上を図りながら地磁気短周期現象の早期情報提供に向けた調査研究に取り組んでいます。
 ここでは、宇宙環境データの解析例と脈動現象piの自動検出について紹介します。

1. 宇宙環境データ(SEDA)の解析
 ひまわり8号のSEDAデータch1電子フラックス(計測エネルギー範囲0.2MeV)にみられる特徴的な周期変動の出現特性をウェーブレット解析を用いて調査しました。SEDAデータch1電子フラックスに対し、周期7分のウェーブレット関数を用いて、突発的なフラックス変化に対応したパワーの出現特性を調べました。このパワーの日変化を太陽風平均速度と比較すると、その周期的な変化が類似することがわかりました(図1)。このことから、突発的なフラックス変化は、太陽活動に依存していることが示唆されます。

図

図1 2017年のウェーブレットパワー
   (上)太陽風平均速度、(中)ウェーブレットパワー積算、(下)縦軸世界時におけるパワー


2. 地磁気脈動piの自動検出
 試験的に2018年5月から自動pi検出手法のプログラムを毎正時に時刻起動することで、暫定毎秒値から1時間分のpiイベントの検出リストを作成しています。2018年5月から2019年1月までのpi検出結果について図2に示します。ここでは、検出されたpiは、現象のQualityにかかわらず全て用いています。piの月別検出数は減少し、3成分の検出数の差は11月以降小さい傾向がみられます(図2左)。月別平均周期は、11月から12月にかけてX成分と他成分との差が大きく、この傾向は単に地磁気が乱れやすい季節にともなう変化なのかもしれません(図2右)。


図

図2 女満別3成分(X, Y, Z)におけるpi検出結果(2018年5月〜2019年1月)
   (左)月別検出数(Nx, Ny, Nz)、(右)周期の月別平均(Tx, Ty, Tz)




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