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磁気嵐の基礎知識

 太陽面での大規模な爆発により放出された高エネルギー粒子が地球に到達した際に観測されるような顕著な地磁気擾乱を磁気嵐と呼んでいます。
 地磁気の単位はnT(ナノテスラ)を用います。日本付近の平均的な地磁気の水平分力(H)の大きさは約3万nTで、静穏時の日変化の振幅は50nT程度ですが、磁気嵐の時は50〜数百nTに達する地磁気変化(較差)が観測されることもあります。
(過去の主な磁気嵐:柿岡女満別鹿屋

 磁気嵐は地球規模の現象ですが、観測点の緯度や経度により地磁気変化の様子も違って観測されます。中低緯度に位置する日本では、多くの磁気嵐は水平分力(H)の急増加をもって始まりますが、これを磁気嵐の急始(ssc:storm sudden commencement)といいます。このあと1時間から数時間くらいの間Hの増加した状態が続きます。この期間を初相(Initial phase)といいます。それに続いてHは急激に減少し始め、極小に達したのち回復に向かいます。この間を主相(Main phase)といい、その後の回復期を回復相(Recovery phase)或いは終相(Last phase)といいます。
 このような経過をとる磁気嵐を急始磁気嵐とよんでいますが、磁気嵐の中には急始の明瞭でないものもありこれを緩始磁気嵐とよんでいます。


磁気嵐の平均的形態

磁気嵐の平均的形態 (水平分力変化の模式図)


磁気嵐の判定基準

地磁気観測所では、観測された地磁気擾乱の形と大きさが次のような条件を満たすときに磁気嵐としています。

  1. 磁気圏の西向き赤道環電流によると推定される水平分力の顕著な減少が見られること。
  2. 急始磁気嵐は、(1)擾乱期間中にK 指数が5 以上の区間が含まれ、(2)擾乱較差(以下:較差)が40 nT 以上であること。
  3. 緩始磁気嵐は、(1)擾乱期間内にK指数が5以上が2区間以上含まれ、(2)較差が50 nT 以上であること。

※) ただし較差は、静穏日変化や、明らかに他現象によると判断される変化を除き、磁気嵐の赤道環電流の卓越によると推定される変化に基づいて判定します。
※) 磁気嵐の急始部分(ssc)についてA、B、Cのクラス分けをしています。

 

急始磁気嵐と緩始磁気嵐の観測例

急始磁気嵐の観測例

−急始磁気嵐の観測例−


緩始磁気嵐の観測例

−緩始磁気嵐の観測例−


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