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女満別・鹿屋における絶対観測頻度と精度のシミュレーション
藤井郁子,大和田毅,源泰拓
要旨
女満別および鹿屋における地磁気絶対観測について,その間隔を現用の毎週から延長した場合のシミュレーションを行った.現用の単純外挿を用いて過去のデータから観測値の評価を行う場合,隔週の観測では正常な観測値が異常値と判断される事例がある.単純外挿に代えて連続観測を行う磁力計のセンサー温度・傾斜を加味した予測も試みたが,著しい精度向上は認められない. 単純外挿のもとで絶対観測の間隔を延長する場合,再観測の基準を緩和する必要がある.再観測を行う確率が観測10回につき1回にとどまる基準を試算したところ,隔週観測では,1回の絶対観測の不確実さを長期的に必要な精度(1nTまたは0.1分)よりわずかに小さくすることができた.4週間に1度の頻度になると,再観測基準自体が必要精度を超える. ただし,これらのシミュレーションは安定した基線値が得られた期間のデータについて行ったものである.また人為的要因によって生じた磁場擾乱があれば,絶対観測間隔を延長した場合の精度の維持は困難となることが想定される.