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地温の影響を加味した地磁気絶対観測基線値の推定と絶対観測の再観測頻度
福井敬一,大和田毅,森永健司
要旨
地磁気絶対観測では過去の観測値から予測される値とその回の観測値とを比較し,観測値と予測値が一定の基準(鹿屋,女満別では地磁気水平,鉛直成分で0.3nT,偏角成分で0.03’)以上の差がある場合,再観測を行うことで異常な観測を排除している.従来この判定のため,傾斜およびセンサー温度補正を施した観測基線値を用いていた.観測頻度が減った場合,基準を変えず,この手法を適用すると再観測が頻発することになり,実務上週1 回以上の頻度で絶対観測を実施する必要があった.観測基線値には地中温度の影響による季節変化が含まれており,この影響も補正した基線値を用い,さらに予測手法を改善した絶対観測の再観測が必要かどうかを判定するための新手法を提案した.この手法を用いると,女満別,鹿屋において毎週実施している絶対観測の頻度を隔週1回としても,従来と同じ基準を維持し,再観測の頻度を増大させない.