ナビゲーションをスキップ
IGY中の磁気嵐のDstおよびDSの解析
永井正男,佐野幸三,柳原一夫
要旨
Vestine, Chapman,杉浦等は多くの地磁気嵐の資料から統計的な平均としてSD,Dstを求めたが,ここではIGY期間における個々の地磁気嵐についてDst及びDSを求めた. 今回解析した地磁気嵐は1957年における9つの急始嵐であるが,1958年の各地磁気嵐についても解析を進める予定である. 方法はKakioka,Honolulu,Tucson,San Juan,Tibilisiの5つの中,低緯度の観測所の毎時値から,その月におけるfive international quiet days の平均値を差引きそれを5ケ所の観測所で平均してDstθo を求めた. 次にAuroral zone におけるLerwick,Dixon,Tixie Bay,Sitka の4つの観測所の毎時値Dh(θ.t. T) からDstθo にある係数A(θ)(係数はChapman,杉浦の統計結果から求めた) をA(θ). Dst θo を差引いたものをDSh(θ.t.T) とした. すなわち DSh(θ. t. T) =Dh(θ. t. T)ーA(θ).Dstθo かくして求めたDSh(θ.t. T)の毎時の水平ベクトルとChapman,杉浦によって求められた統計的なSDh(θ.t.T) の対応する地方時における水平ベクトルとの比 I(θ. t. T.) =DSh(θ. t.T)/SDh(θ. t) を算出し, DS強度発遠の推移とDstとの関係を解析した.(Sept. 2,4 ,13 ,21−23,29の嵐に対してはgreat stormのSDhを,July 5とAug.29の嵐に対してはmoderate stormのSDhを用いた) これらの地磁気嵐の解析からDst場の発達とAuroral zoneにおける平均のDS場の強さとは非常によい対応がみられmain phase の形成期においてDS場が急激に増大している.そしてこれらの現象は断続的におこっている. 又DS場の増大とpt-index との対応はかなりよい一致を示すことがわかった.
本文には正誤表が付属します.