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地磁気常時観測結果と地震(U)−△Z/△Hの変化−
吉松隆三郎
要旨
前報告では地磁気絶対値の月平均値について柿岡,女満別,鹿屋の各2 点間の局所的と思われる差異を求める解折をやって,どうも浅い地震 (M≧ 6.0,Δ≦330km)の前,1〜3ヶ月特に2〜3ヶ月の値が他の月よりも異常であることを短期間の調査であるが指摘した. この第2報では少し考える対象を変えて,短周期変化(継続時間数分〜数十分程度)についての最大変化ΔZ, ΔHを多くの変化から吟味して求め, その月平均値ΔZ/ΔHについて,柿岡(期間1959-1960), 鹿屋(1960-1961)の両地で地震(M≧5.5,Δ≦330km)との関係をしらベた. その結果は本文第5節の結果の要約と問題点のところに列挙してあるが,特に面白いと思うことは,大部分の地震の起った月の1〜2ヶ月のΔZ/ΔHがこの曲線の谷となっており,しかもこの谷の値と地震の規模M との間には両地点とも,ほほ直線的関係がみられ,その直線の傾斜も大体等しいということである.若しこれが確実とすると一見地震の起ったときはもう地磁気(地中電気伝導度)には地震の影響は大部分消え去っている場合が多いことになる. 今後のことについて少し述べた。