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地電流の地方異常と大地比抵抗
柳原一夫,横内恒雄
要旨
地電流のつくる電場は狭い範囲内でも場所場所で急激に変ることが多い.特に日本のような地質構造の複雑な所では著しい.このような所ではCagniardの方法は必ずしも適用出来ない.地電流の流れはまず第一に海水・水成層・基盤岩の分布によって決められ,次に小規模の大地比抵抗異常によって変えられる.一様水成層中に基盤岩の露出がある場合,その露出地内の地電流電場は著しく強められる.この電場の値を使ってCagniardの方法により地下,とくに基盤岩の比抵抗を求めると,電場の増大率のほゞ自乗に等しい値がえられる.柿岡附近はこのような条件のもとにあると思われるので二次元近似により計算してみると電場増大率は約7であった.この点を補正して地下の比抵抗を求め実測と比較すると相当良く一致している.