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地磁気3成分の地点差について
荒木健
要旨
地下の物理的な変化により,地上で観測される地磁気の値が変化することは,地震前後の磁気測量でしばしば報告されている.しかし地震の影響を地磁気の変化からとり出すことは,外部じよう乱の影響が大きいので困難である. 適当な近い距離における地磁気の値の差には,外部じよう乱の影響は大差がないと思われ,地下の物理的変化の影響が見つけられる可能性がある. この予備的調査として,太陽活動度の極小期である1964年の女満別・柿岡・鹿野山・鹿屋の永年変化分を差引いた日平均値を用いて各組合せによる地点差, (女満別−柿岡), (柿岡−鹿屋), (柿岡−鹿野山)を調らベ,各成分の地点差が地磁気活動度−ここではKp指数の日合計値−に関係があり,地点間の距離が近くなると関係はなくなり,地点差の標準偏差は各成分各地点差で異なり,ΣKpとの関係も一定でなく,地点間の距離との関係も水平分力をのぞいて分らないことを示した. またじよう乱の影響を除くために半旬平均値が使われ,これで小さなじよう乱がかなり除かれ,標準偏差が地点間の距離に関係することをたしかめた.