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IGY(1957年7月〜1958年)〜1968年の地磁気嵐とsscのQualityについて
来栖喜久男
要旨
IGY以来地磁気短周期変化についてはIAGAのコベンハーゲン決議にしたがい各の現象にそのQualityを示す,A,BおよびCの記号をつけて報告することが義務づけられている. その一つsscについて各QuaIityを量的に決定することを目的に1957年7月-1968年に柿岡,女満別および鹿屋で観測された地磁気嵐(Geomagnetic Storm)について調査し次の結果をえた. 日本の3観測所で位置する中・低緯度地帯では (1) SC StormにおけるSC AmplitudeとStorm Rangeの聞には正の相関が認められる. (2) SC StormにおけるSC Amplitudeは,SCがL.T.06-10時頃発生した時,偏角の振巾 が水平分力より大きくそれらは全体の約9%観測された. Storm Rangeについては偏角が水平分力より大きくなる場合が全体の約30%観測された. (3) 地磁気静穏日変化Sqの日較差は太陽活動とほぼ平行して変化し一般に偏角が水平分力より大きい.その変化量は太陽黒点極大期の春秋季と黒点極小期の冬季では偏角で約70γ の差がある.これらの関係からsscととるためのStorm Rangeの下限を約40γとしそれ以下のときは急始変化をsscでなくsi現象ととる.Quality判定には地磁気水平分力および偏角のいずれか変化量の大きい方を使う.このように決め変化量の大きい日較差は,各Qualityの量的な領域のうちStorm Rangeの範囲を加減してQuality判定上不都合をきたさぬようにした. 以上から3観測所におのおの適用するssc Quality判定用チャートを作り良い結果がえられた.