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地磁気観測所構内における磁気異常の分布と変化
栗原忠雄
要旨
1970年秋新標準磁気儀室建設敷地の整理が行なわれた.この論文では整理後に行なった磁気測量の結果の一部について述べる.先ず第一に敷地内における全磁力分布を大地(2)が実施した整理前の結果と比較し,地形や建造物による複雑な局地的磁気異常が消滅し,その中央部に磁気領度の小さいこの建設に必要な広さの平坦地がえられたことを確めた.次に極めて近い2点聞における地点差の変動を調べるため19の測点をえらんで毎週実施している全磁力測量により,何れの測点でも全磁力値が次第に減少し,その減少量は2カ月半の聞に1-2γ になることを知った.また切土の行なわれた中央部の土の帯磁率は小さく器械台や建物の基礎によってつくられる磁気異常も比較的に小さな値におさえられることが予測される.