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地磁気観測所要報 第15巻 第01号, p.13, 1972年12月


磁気嵐開始前の水平分力増加


柳原一夫


要旨

 急始磁気嵐はsscという開始時をきめるものがあるが,sscの認められない緩始磁気嵐は開始時のとり方があいまいになりがちである.杉浦の発表している赤道Dstをみると緩始磁気嵐の目立つ一つの特徴として,水平分力の急減少が認められる.この急減少の始まる時刻は1時間以内の正確さで実際上きめることができるので,この時刻を磁気嵐時間の原点にとることとした.こうして15の緩始磁気嵐の平均Dstを求めると,その時間原点以後はいわゆる磁気嵐の主相,終相がはっきり認められ急始磁気嵐と何等変る所がない.時間原点以前はやく1日間ぐらいの間ゆっくりした水平分力増大がみとめられる.これもいわゆる初相に相等するものといえるが,時間の長いことと,ゆっくり増大する点は急始磁気嵐と多少異なっている.
  一方急始磁気嵐についても杉浦のDstを詳しくみると,このような水平分力のゆっくりした増大がssc以前にみられる例が数多くみとめられる.sscのあるなしにかかわらず主相発達以前にやく1日がかりの水平分力漸増期間があることが一つの地磁気変化活動期初期の特徴でないかと思われる.



[全文 (PDF; 英語; size:186KB)]


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