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地磁気変化計基線値の変動について−採用基線値決定法−
山口又新
要旨
変化計の基線値は,週1-2回の絶対観測によって求められ,毎日の基線値は,それらからいろいろの方法によって算出される.よく知られているように,観測基線値は変化計の温度により変動するばかりでなく,ドリフトもする.観測所所在地の気候風土,観測室の構造などによっては,観測基線値の変動は,極めて複雑であり,これをもとにして毎日の基線値を求めるには,工夫が必要である.変化計の温度依存,ドリフトの物理的機構を明らかにする必要がある. 本稿では,重回帰分析法により,回帰式を求め,これによって毎日の基線値を算出することを検討した.かなり有効であるが,実用化するには,なお問題もあろう.又当然変化計が異なれば,回帰式も変ってくるが,説明変量はそれ程大きくはかわらないようである.変化計基線値変動に寄与する温度についても,今後調査の必要があろう.