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地磁気観測所要報 第17巻 第02号, p.87, 1978年3月


太陽黒点極小期におけるIMFセクター構造と地磁気活動度との関係


永井正男


要旨

 著者はさきにExplorer35,41,43,47の惑星間空間磁場の資料を使い,1970〜1972年の太陽黒点極大期附近におけるセクター構造と地磁気嵐および地磁気活動度との関連について調べた.
  ここでは,ThuleおよびVostok の地上の資料を使い1964〜1967年および1972 July〜1975 Juneの太陽黒点上昇期および下降期における二つの極少期附近について調べた結果,次のことが判明した.
  太陽黒点上昇期においては4セクターを示す.地磁気活動度はawayセクターの方がtoward セクターよりも大きい.またセクター境界の通過後第1日目が最も大きく,日数がたつに従って急速に減少する.このパターンは太陽黒点極大期附近のものとほとんど同じである.
  しかし太陽黒点下降期においては2セクターを示し,地磁気活動度はawayよりもtowardの方が大きくなる.またセクター境界の通過後3日自に活動度がピークを示し,割合高い活動度が数日持続する.とくにこの傾向はtowardで顕著にあらわれ,太陽黒点上昇期とは明らかにパターンを異にしている.
  1976年の極少期から新しいサイクルへの移行の段階では2セクターと4セクターの特徴が入り混ったパターンを示し,やや複雑である.
  SSCとセクター境界との関係は,4セクターではセクター境界の第1日目で発生頻度が最も多く, 2セクターでは2日目にピークを示している.
  Sg とセクター境界との関係は,4セクターでは太陽黒点極大期・極少期の区別なく,セクター境界の通過前後−2〜+2日で,ほぽ一定した割合幅広い極大をもった発生頻度を示す.これに反し, 2セクターではSSCと同様セクター境界の影響を明瞭にうけ,セクター境界の通過後2日目にピークを示す.
  以上のように27日の回帰を示す磁気嵐はSSC,Sgともセクター境界附近で発生頻度が大きい.これはセクター境界と一緒に回転しているInterplanetary Shocks およびMagnetohydrodynamical Turbulenceが存在することを暗示している.



[全文 (PDF; 日本語; size:729KB)]


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