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日本付近の偏角の経年変化について(T)
今道周一
要旨
(1) 1600年, 1700年代における日本附近の等偏角線を,当時船舶によって,日本沿岸で測定された資料で信頼できるものを用いて求めた. (2) 南極地帯では全磁力極大の所は南磁極にきわめて近いところにあるので,等偏角線は規則正しく分布している.然るに,北極地帯では北磁極(N・P) と全磁力極大の所(M・P) とは,地理学的北極に対して,互に反対側にある.磁気的特殊点のこのような分布のために,東シベリヤから日本にかけて,等偏角線は卵形となっている.M・Pの磁力がN・Pのそれに対し,相対的に大となると,偏角は西偏となって,卵形の中心は東経130°に沿って北上する.これに反し,M・Pの強さがN・Pの強さより弱くなるにつれて,偏角は東偏となり,卵形の中心は東経130°に沿って南方に移動する.