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女満別・いわき・柿岡・鹿屋におけるCA-変換関数の同時比較について(T)
佐野幸三,仲谷清,栗原忠雄,中島新三郎
要旨
CA-変換関数の時間変化を議論する場合,それらが内部要因によるものか,外部要因によるものか,また,単なる誤差によるものか,常に問題となる.この問題解明のためには,多点におけるCA-変換関数の同時比較が必要である.その第一段階として,日本列島の北端,南端およびほぼ中央付近に位置する女満別・鹿屋および柿岡・いわき4地点におけるそれらの同時比較を試験的に行なった.今回は周期90分のものを主体にした解析結果を報告する. 4地点のCA-変換関数はかなり高い相関のある時間変化を示すという結果が得られた.当然のことながら,距離的に近い柿岡・いわき間の相関が最も高く,最も遠い女満別・鹿屋間で最も低くなっている.時間変化の大きさについては,いわき・鹿屋・柿岡間では平均的にみてあまり有意な差はないが,列記の順で大きく,女満別は明らかにこれら3地点よりも小さい(特にAu変換関数).今回の結果は短期間の比較で, あまり決定的なことは結論できないが,CA-変換関数の時間変化に関して多くの問題が提起される.