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日本附近の偏角の経年変化について(U)
今道周一
要旨
北半球は南半球より等偏角線の分布が複雑である.これは北半球には緯度は殆んど同じであるが,経度が約対称の位置に二つの極大σとνがあるためである.これによって,等Y成分(東西方向の成分)が4個の閉曲線として出現する.このY成分とX成分との組合せが等偏角線となるが,それが閉曲線となるのは東シベリヤから日本にかけての円形に近い等Y成分のみである.この卵形等偏角線の中心は,これに関与した円形等Y成分の中心より常に北方にあり,西偏の増加と共に北上することを証した. 尚,北磁極および北米極大νの強さは,近年殆んど変らないか,あるいは,僅かに減少しているようであるが,シベリヤ極大σ地域の強さは増大していて,このため日本附近の西偏の増加となっている.