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磁気共軛点における地磁気変化の南北非対称
永井正男
要旨
1961〜1964および1966〜1967のCape Wel1en (CWE),Macquarie Island (MCQ)の磁気共軛点における水平分力の毎時値を使い,地磁気変化の南北非対称について解析した. (1) CWEでは約+20nT/年, MCQでは約−25nT/年のかなり大きな永年変化のトレンドが,この期間に存在する. (2) 季節変化は静穏日と優乱日で全く異なったパターンを示す.静穏日では南北両地点で夏と冬が逆の,ほぼ対称的な半年周期の変化を示すが,優乱日では両地点とも夏特に大きく 春秋で小さい,非対称的な変化を示している. (3) 日変化は,夏と冬の違いはあるが, MCQの方がCWEより大きな振幅を示している. (4) 極磁気嵐の変化では,その爆発的活動時に両地点ともはっきりしたピークの極小を示すが,最盛時の4時間前から2時間後まで, MCQの方がCWEより平均して約40nT以上の大きな振幅の差を生じている. (5) Dst指数の大きな発達した磁気嵐では,AU或いはAL指数の増大にともなって,南北両地点の差も増大するが,その変化はプラスの場合もマイナスの場合もあり,かなり不規則な変化を示している.