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北西太平洋域における磁場モデルの評価
藤田茂,河村まこと,行武毅
要旨
北西太平洋域で提案されている3つの磁場モデル,即ち,国土地理院モデル(GSIモデル),海上保安庁モデル(MSAモデル),国際標準磁場(IGRF)を,日本及びその付近の固定観測所のデータを用いて有効性を評価した.その結果, GSIモデルは日本のみで有効であること, MSAモデルは日本及びその周辺で有効なこと, IGRFは全域で有効であることがわかった.しかし,IGRFは日本において,F,H,Zについては100nT--200nT程度,Dについては10分程度の誤差があり,これは,ヨーロッパ・北米に偏在している観測所のデータから決められたIGRFが,日本付近では十分に地球磁場を表わせないからであると考えられる.又, 1965年から1980年にわたる全磁力に対するIGRFの値と観測値の聞の差の変動は,この期間に100nT程度になるので,IGRFを基準としたこの期間に得られた全磁力値を用いた磁気異常図は100nT程度の誤差を含んでいる.