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ホーム > 刊行物 > 地磁気観測所テクニカルレポート > 第1巻第1号 >発刊の辞

地磁気観測所テクニカルレポート, 第1巻, 第1号, 2003年3月


発刊の辞

地磁気観測所長
吉田 明夫

 大正2年(1913年)に柿岡の地で地磁気観測が開始されて以来、90年余が経過しました。この間、地磁気観測所は、常にその時代の最先端の観測機器と技術を用いて、高精度で安定した観測データを提供してきたことにより、今や世界の代表的な観測所の一つとして認められていると言っても過言ではないでしょう。

 21世紀を迎え、オーロラから雷まで、電磁気現象に対する関心が、地球環境のモニターという視点からますます高まってきています。身近な例では、最近、火山における地磁気観測の有効性が認識されて、これについては当所がこれまでに蓄積してきた観測技術、解析手法に関するノウハウが、気象庁の火山活動監視業務の中で大いに活用されつつあります。地磁気観測所は柿岡と女満別、鹿屋、伊豆小笠原は父島の4ヶ所で地磁気永年変化観測を行っていますが、地球規模の環境監視という意味では国際協力が不可欠なことは言うまでもありません。これに関連して、2004年には地磁気観測機器とデータ取得・処理に関するIAGA(国際地球電磁気学・超高層物理学協会)ワークショップがアジアで初めて柿岡とつくばで開催されることが決まり、当所ではこれに向けて鋭意、準備をしているところです。地磁気観測所の技術、生産されるデータは、長年にわたる多くの先人の努力によって高い評価を得てきました。私どもはこれを受け継ぎ、更に発展させて、地球電磁気に関わる様々な分野で、一層の貢献をしてまいる所存です。

 地磁気観測所テクニカルレポートは、国内外の地磁気観測事業の発展に寄与することを目的に、地磁気観測所において行われた技術開発、観測ならびに調査研究の成果を公表し、それを刊行するものであります。発行は年2回を予定しています。本テクニカルレポートに掲載された論文が、地球電磁気観測データを収録した地磁気観測所報告ともども広く活用されて、関係機関における業務の発展の一助となることができれば、これ以上の喜びはありません。

平成15年 (2003年) 3月


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