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平成24年度調査研究のトピックス(7)

活動的火山における地殻活動と地磁気変化の対応関係に関する調査

研究代表者:藤井 郁子

活動的な火山では、地下の熱水系の発達などにより岩石の磁化が変化し、地磁気変化が観測できることがあります。そのような変化をモニタリングすることによって、地下の熱的な状態を知り火山活動監視に役立てるべく、当所では6火山で地磁気全磁力観測を実施しています(図1)。

図1

図1 全磁力観測を行った6火山(雌阿寒岳、吾妻山、草津白根山、伊豆大島、三宅島、阿蘇山)


今年度は静穏な活動をした火山が多く、概ね平穏時の変化の観測例となりました。解析においては、草津白根山の36年間の観測データから熱源の時間的推移を推定し、噴火活動と相関しながら、熱源が水釜〜湯釜の狭い範囲を移動していることを明らかにしました(図2)。阿蘇山でも、地下の穏やかな冷却化がここ2年ほど続いている可能性が示されました。

現在、より一層効果的な観測を行うため、気象庁の他の部署とも協力しながら、雌阿寒岳、伊豆大島などで観測の再編を進めています。これらの火山のマグマの蓄積や水蒸気爆発につながる熱水系の変動などについて、今後解析を進める予定です。


 
図2

図2 1978年から2012年までに得られた全磁力変化から推定される等価磁気双極子の位置。解析では永年変化による変動分を補正している。星印はGPSおよび水準測量から推定される点収縮源(平岡ほか、2010)の位置を示す。黒丸は2002年3月から2012年6月までの期間において気象庁火山課が決定した震源の分布を示す。




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